2018年12月14日号

日本の心は


 ♪サッちゃんはね サチコっていうんだ ほんとはね…の「サッちゃん」(阪田寛夫作詞)、♪まいごのまいごの こねこちゃん…の「いぬのおまわりさん」(佐藤義美作詞)、♪むかし 泣き虫かみさまが…の「ドロップスのうた」(まどみちお作詞)……童謡や多くの合唱曲で親しまれた作曲家の大中恩(おおなかめぐみ)さんが12月3日、94歳の生涯を閉じた。4年前、まどみちおさんが亡くなった時も思ったのだが、こうした童謡を作る人たちが、子供たちや世の生きる人々に向ける眼差しの、何とやさしくあたたかいことか…。


 テレビのニュースを見ていて、気が滅入った。人手不足からベトナム現地で面接をする日本企業の面接の様子が映ったのだが、ベトナム人の若者が3人、入室してしっかりお辞儀をしたのに、面接する日本人は雑談してそっぽを向く応対。人としての敬意どころか初めから見下げる態度に、ぞっとするような恥ずかしい気持ちに襲われた。実は、中国の人やアジアの人々など、多くの人が“技能実習制度”の名の下に劣悪な労働環境と低賃金で酷使され、言葉の違う日本で訴えることもできず悲惨な目に遭っている現実があるという。ある“実習生”はテレビで「日本人はひどい。まるで地獄のような国…」とはき捨てた。


 一方、介護職に就く40代の知人女性は、休む間のない夜勤・残業続きの勤務で手取り十数万の低い給料と、介護の仕事の誇りとの狭間で苦しみ疲れ切っている。経済界から言われるままに、なぜか国会で強行採決された入管難民法改正案に「これで安い外国人が入ってきて、(私たちの)給料は上がらなくなった。希望が無くなった…」と言う。賃金が上がれば働きたいという日本人は多いといわれる。しかし、日本人より安く使える外国人を無理やり入れようとする。しかも、根っこにある法律をないがしろにして劣悪な労働環境と待遇のままで…。


 人を慈(いつく)しむ童謡がいっぱいの、“思いやり”の国の心は見せかけだけなのか。それとも、“地獄の鬼”の心か…。


ダイエットクッキー

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